薬剤耐性菌とは

薬剤耐性菌とは抗菌薬の使用によって、従来であれば薬が効くはずだった菌に突然変異が起こり、薬が効かなくなった菌のことをいいます。


ペニシリン耐性肺炎球菌検出の年次推移

上のグラフはペニシリンという抗菌薬に対して耐性を持った菌の一種、肺炎球菌の分離割合を示したグラフです。1980年から2000年の20年で0%から50%まで増加しています。
誰もが耐性菌で命を落とす時代になっています。
*臨床病理 111:53, 2000. (臨床病理レビュー特集第111号 臨床検査 Year Book 2000)

2019年末のニュースでも耐性菌に関する多くのニュースが耐性菌の恐怖を伝えています。

膀胱炎に抗菌薬が効かない? 健康な人にも広がる耐性菌ー朝日新聞DIGITAL

 

薬剤耐性菌の驚異

現在のペースで耐性菌が増え続けると、2050年には全世界で約1000万人もの方が命を奪われると報告されました。この数字は世界のがん患者数の死亡数より大きい数字になっています。

 

問題:抗菌薬の不適切な使用
課題:外来診療で感染症疑い患者に、原因菌の特定なく抗菌薬が処方されている

臨床現場を内側から観察し、1つの課題に気がつきました。
定めた課題は、『外来感染症疑い患者に対して原因菌種を特定する検査がなされることなく抗菌薬が投与されている』ことです。

原因菌種を特定できないために
・本来、抗菌薬の必要ない疾患に抗菌薬が処方されている
・多くの菌種をカバーしなければならず、広域な抗菌薬が処方されている

抗菌薬の投与には耐性菌の出現だけではなく、薬剤性腸炎、CDI等の重篤な副作用ももたらします。

2016年に厚労省が発表した薬剤耐性対策アクションプランでも抗微生物剤の適正使用、使用量の削減は対策の主要な柱及び成果指標として掲げられています。
* 薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000120769.pdf

対策アクションプラン 6つの柱
成果指標

 

解決策:グラム染色を世界の医療機関に届ける

我々は、外来で患者が変えるまでの20分で菌種の推定が可能な検査が無いかと考え、『グラム染色』という菌種検査に注目しました。

グラム染色とは、3つの染色液で菌を染め上げ顕微鏡で観察し、色や形状から菌種を推定する検査のことです。

染色された菌を顕微鏡で観察する

しかし、2次以上の救急を有した病院のうち、24時間グラム染色が対応可能な救急は全体の38%しかなく、独自の調査ではグラム染色が実施されているクリニックは全国に数件しか無いことがわかりました。

 

グラム染色導入のハードルを解消し自動化する

医療者へのインタビューを繰り返すと導入に際してハードルがあることを発見しました。

・染色にマンパワーが必要なこと
 作業はとても単純だが、工程が多く合計5分ほど必要なため、忙しい現場で手間を割くことが難しい
・染色台が汚れてしまうこと
・検鏡での菌種判断が困難なこと
 普段グラム染色を行っていない医療者が、顕微鏡を操作して菌種を言い当てることが難しい

我々のMissionは、上のようなハードルをAI×ロボティクスを用いて解消し、
医療現場にグラム染色を導入させることです。